Special Interview! 株式会社白組 CG Supervisor 小森 啓裕【本学卒業生】チーム

Member

CG Supervisor

小森 啓裕

CG Supervisor

小森 啓裕

日本電子専門学校コンピュータグラフィックス科を2000年に卒業し、白組に入社。
2015年に公開された『GAMBA ガンバと仲間たち』では、監督兼CGスーパーバイザーとして60名を超えるチームを率い、総カット数約1,600にも及ぶ本作を完成に導いた。

Designer / Illustrator

坂井 真

Visual Effects Designer

関野 友裕

Assistant Producer

杉尾 朱実

協力:株式会社白組

Interview

今回の日本電子専門学校のコンセプトムービーを手がけたのは、
株式会社「白組」で活躍されている卒業生の小森さんです。
CGスーパーバイザーとしての想いなどメイキング話を中心に、
制作チームの皆さんとともにお話を伺いました。

母校からの制作依頼でしたが、
いかがでしたか?

小森さん

学校には、たまに遊びに行ったり、講師としても伺っています。それに先生方とも個人的なお付き合いがあるので、僕にとってホームのような場所なんです。そんな母校が今回クライアントという立場になるわけですから、気持ちを切り替えてプロとして「いいものを創ろう!」と気を引き締めましたね。

続きを読む

CGスーパーバイザーとは、
どういったお仕事ですか?

小森さん

映像の制作現場を取り仕切るのが仕事です。具体的にはスタッフを選んだり、クオリティを判断したり、メンバーの意識をひとつにしたり。技術的なところから見せ方のところまで、どうすればいい結果につながるのかを見極めながら映像を創り上げていくのが、全体をまとめる立場としての僕の役割なんです。

続きを読む

制作面で
いちばん気を付けたことは?

小森さん

「伝統」と「革新」という学校のコンセプトに合った映像を創るというところですね。「伝統」「革新」をどう解釈し、どうカタチに落とし込んでいくべきか。クリエイティブディレクターや監督と、かなり綿密な打ち合わせを持ちました。ロボットアームの動きとか、電球の発光の仕方とかも、緻密に考えましたし。とにかくコンセプトに合った映像づくりが、僕らのミッションでしたから。

坂井さん

私もロボットアームをデザインする際、構造的にはちゃんと手として動きつつも、材質や質感はこの世のものではないようなもので表現し、「革新」が伝わる説得力のあるデザインを心がけました。

小森さん

説得力を持たせるために、どこがセンサーになっていてとか、どこまでが可動域とか、実際にロボットを作ったら、こうなるよね!っていうレベルで、坂井と一緒に考えましたし、何度も話し合いもしました。

続きを読む

そのほかに心がけて
創ったところは?

関野さん

僕は坂井さんが描いたデザイン画を3D上でデザインしていくCGを担当したのですが、機械的なロボットアームを創ると、どうしても硬くて冷たい印象になりがちなんですけど、今回の制作では、温かみみたいなものも大事にしたくて、ロボットアームなんだけど人の手のような温もりを感じる、そんな印象を与えられるよう努めました。

小森さん

伝統を表す電球も革新を伝えるロボットアームも人間が使ってはじめて生きてくるものだし、どんなに技術が進歩しても、それを使うのはやはり人間なんです。だから僕らはロボットアームを人の一部となるよう、ヒューマンに近づけたかったし、皮膚感覚みたいなものも持たせたかった。温もりもそうですが、関野は曲げた時のカタチなども、いかにもロボットじゃなくて、より人間ぽい手の雰囲気になるよう曲線も意識しながら創っていったんです。

続きを読む

見る人を惹きつけるために、
工夫したところはどこですか?

小森さん

正直いろいろありますね。例えば、電球が発光している部分と中の光が透過している感じが際立つように、逆光になるよう創っているとか。発光部分が象徴的に見えるよう、影絵とかの手法を使ったシルエット表現を用いたライティングにするとか。あと僕らは“リム”って言うんですけど、曲線美がキレイに出るよう被写体の際に、強めのライトを当ててシルエットを強調したりとか。

関野さん

リムがないと、鋭いかっこよさみたいなものが、印象的に表現しきれないので、そういうところにもこだわりながら創りました。

小森さん

こだわったと言えば、電球の“映り込み”もそう。実写の映像であれば、本来、電球のガラスには周辺にあるものが映り込みますが、CGだと好きなものに変えられます。一見分かりづらいと思いますが、実はロボットアームの表面の質感や雰囲気が効果的に出るようなものを意図的に周りに置いて電球に映り込ませているんですよ。

続きを読む

チームワークはどうでしたか?

小森さん

このメンバーじゃなきゃ、できなかったと思います。坂井は、いろんなアイデアの引き出しを開けてクオリティの高いデザインを生み出してくれたし、関野はこれまで培ってきた技術を生かして最高の映像に仕上げてくれたし。なによりも杉尾がニコニコしながら、背中を押してくれたり、おしりを叩いたりしながら(笑)、うまくスケジュール調整をしてくれたので助かりました。

杉尾さん

進行には苦労もありましたが、工程ごとの確認をうまくやりくりするのも、アシスタントプロデューサー兼コーディネーターとしての私の大事な役目ですから。とにかくメンバーの持ち味が生きるよう、いろいろ気を配りながらプロジェクトを進めていった感じです。

続きを読む

最後に、小森さんが学ばれた
日本電子専門学校とは?

小森さん

やってみようと思ったことができる場所でしたね。機材や設備は整っているし、聞けば先生もいろいろ教えてくれるし。だから好きに勉強できたし、いろいろ試したりもできた。あと、型にハマっていないところとか、きっかけを与えてもらえたところとか。それも僕にとってはすごく大きかったですね。

続きを読む

Making

Step.1

絵コンテ
「企画コンテ」

すべてのスタートになるのが企画コンテです。絵コンテとも呼ばれ、映画やアニメーションの制作現場でも同様に使われています。この企画コンテを基に、演出家(監督/ディレクター)が映像を魅力的に見せるための演出プランをまとめます。今回、表現方法がフルCGに決定したため、卒業生も数多く活躍している質の高い映像制作で有名な株式会社白組とタッグを組むことになりました。

Step.2

ロボット
アーム
デザイン

デザインのコンセプトは、ヒューマノイド。
人間の構造を意識しながら、未来に人間と共生・共存しているであろうクオリティを追求しました。複雑な構造でありながらも、全体の素材がシームレスにつながっている、そんな手としての一体感を持った、近未来型を想像させるデザインになっています。

Step.3

CGの制作工程

モデリング

3DCGで造形を行うプロセスです。平面のディスプレイ上にある仮想の三次元空間で立体化させるこの工程では、空間認知能力が求められます。

ライティング

光源を加える工程で、全体のイメージや完成度を高める上で最も重要。このプロセスが仕上がりを大きく左右します。

コンポジット

3DCG、2Dの作画など、各種素材を合成する工程です。素材ごとの違いを調整して馴染ませることで一枚の画として完成させます。

Step.4

完成

ロボットアームと電球が触れた際の些細な動きにも白組ならではの斬新なアイデアが込められています。出来上がった素材にナレーションやSE(サウンドエフェクト)を入れて完成です。

Message