あなたがゲーム好きであれば、一度は「あのゲームってどうやって作っているんだろう」と気になったことがあるのではないでしょうか。
中にはゲーム好きが高じて「自分でゲームを作ってみたい!」と考えたことがある方も少なくないはず。
そこで、ゲーム作りに携わっている職業としてよく聞くのが「ゲームクリエイター」という言葉です。
本記事では、ゲームクリエイターとは一体何をしている人なのかというお話から、実際にゲームクリエイターになるにはどういうステップがあるのかをまとめました。
ゲームクリエイターへの第一歩を踏み出すきっかけとして、参考にしてみてください。
「ゲームクリエイター」という言葉は、ゲーム制作にかかわるさまざまな職種をひとことで表した総称です。
実際は、「ゲームの企画にかかわる職種」「ゲームの制作にかかわる職種」の2つがあり、その中でも合計7つの専門分野に分かれています。
つまり、一口に「ゲームクリエイターになりたい」と言っても、職種によってやることや求められる資質が大きく異なります。
まずは、「ゲームクリエイター」にどのような職種があるかを理解し、その後にどうやったらその仕事に就けるのかを考えてみましょう。
まずは、ゲームの企画部分を担当する4つの職種について解説します。
ゲームプロデューサーは、ゲームの開発から販売まで、ビジネス成果のすべてを統括する存在です。
ゲーム制作では「シナリオ」「グラフィック」「音楽」「プログラミング」など多岐に亘る工程があり、さらに販売やプロモーションに関する調整も発生します。
そのすべての工程における意思決定や調整、品質の向上やリスク管理の責任者となるのがゲームプロデューサーとなります。
ゲームプロデューサーが「ゲームの開発から販売まで、ビジネス成果のすべてを統括する存在」であるならば、ゲームディレクターは「ゲームの面白さ(品質・クオリティ)に責任を持つ存在」という立ち位置になります。
ゲームのストーリー、ビジュアル、ゲームプレイヤーによりよい体験を提供するためにどのような設計にするべきか、どのような制作体制を敷くべきかなど、制作の質を高めることに責任を持ち、注力します。
誰もが知っている大規模なゲームタイトルであれば、プロデューサーとディレクターは分離していますが、小規模なプロジェクトの場合はプロデューサーとディレクターが兼任することもあります。
ゲームディレクターが「ゲームの面白さに責任を持つ存在」であるならば、ゲームプランナー(ゲームデザイナー)は「ゲームをどのように面白くするかを具現化する存在」という立ち位置になります。
大きく分けると、以下3つがメインの内容になります。
ゲームの特定機能というよりは、ゲームのプレイ体験全体の向上を図るのが、ゲームプランナーの役割となります。
ゲームプランナー(ゲームデザイナー)が「ゲームをどのように面白くするかを具現化する存在」であるならば、ゲームシナリオライターは「ゲームの中心となる”物語”を形作る存在」という立ち位置になります。
大きく分けると、以下4つがメインの内容になります。
ゲーム内で何が起こって、それをどのようにユーザーに伝えるかという核となる部分を作り上げるのがゲームシナリオライターになります。
次に、ゲームの制作部分を担当する3つの職種について解説します。
ゲームプログラマーは、「ゲーム開発の技術的担当」です。
企画職が考案したゲームデザインの概念をプログラムを通じて実現し、プレイヤーが実際に楽しめる製品を作成します。
大きく分けると、以下4つがメインの内容になります。
すべての技術に精通するには莫大な開発経験が必要となるため、「ネットワークの専門家」「AIの専門家」など、さらに細分化された専門分野にわかれることがあります。
CGデザイナーは「ゲームのデザイン担当」です。
ゲーム内で登場するキャラクターなどのデザインから、ゲームを直感的にプレイするためのデザインであるUX/UIといわれる領域までを担当します。
大きく分けると、以下6つがメインの内容になります。
CGデザイナーもゲームプログラマー同様、多岐に亘る分野とそれに応じた利用ツールがあり、すべてに精通するには莫大な経験が必要になります。
そのため、「アニメーションの専門家」「UX/UIの専門家」など、さらに細分化された専門分野にわかれることがあります。
サウンドクリエイターは「ゲームの音響担当」です。
ゲーム内の音楽、効果音、音声、その他の音響要素を作成し、ゲームに深みを加えます。
大きく分けると、以下4つがメインの内容になります。
サウンドクリエイターは音の制作だけできればよいわけではなく、世界観やデザインなどを深く理解し、どのように音として表現するかから、気を配る必要があります。
ゲームクリエイターの中にも7つの職種があることを理解した上で、これらの職種を目指すにはどのような方法があるのか「資格」「学び」の2つの観点から説明します。
結論、ゲームクリエイターになる際に必須の資格はありません。
ただし、ゲームクリエイターとして働く際の、関連知識やスキルに関する能力を認定する試験はあります。
例えば、以下の3つが挙げられます。
もちろんこれだけではなく、それぞれの専門分野や専門技術についての資格はたくさんあります。
資格を取ることで必ずしも就職に有利に働くとは限りません。実際に「ゲームを作ってみた」経験のほうが圧倒的に評価されます。
ただし、資格を取るだけの「努力ができる人」とは判断されやすくなります。
また、資格を取ろうとすることで、その過程でどの分野が自分にとってしっくり来るのか判断する材料にもなります。
興味や時間の余裕がある場合は、資格取得に向けて勉強してみるのも1つの方法でしょう。
実務経験がない学生がゲームクリエイターになるには、専門知識を学んだり、実際に手を動かして作ってみる経験が必要です。
選択肢としては大きく「独学」「専門学校」「大学」の3つがあります。
最近はUnityなど素人の独学でもゲーム開発が手軽にできる言語・ツールが普及してきていますが、知識の偏りや学習効率の低下、実際の開発現場で行われるチームプレーが経験できない点を考えると、体系的に学べる教育機関に通うことがおすすめです。
では、「専門学校」「大学」はどのような違いがあるのでしょうか。
「専門学校」「大学」それぞれの特徴について解説します。
専門学校は、その名の通り「専門的な技術を身につけられる学校」です。
先述したように、ゲーム開発にはシナリオライティング、プログラム、CGデザインなど、専門的なスキルが求められます。
そういった必要スキルを磨くことに特化したカリキュラムやイベントへの参画、業界とのつながりを持っているのが専門学校です。
また、2年制や3年制が多く、大学と比べて短期間で凝縮した学びが得られるため、学費が安く済むのも特徴です。
ゲームクリエイターとして生きていきたいと強く考えているのであれば、まっすぐゲームクリエイターへの線路が敷かれている専門学校を選択することがおすすめです。
大学はゲーム開発に関わる知識のみならず、幅広い教養が学べることが特徴です。
実務面の授業もありますが、特に理論面について深く学べるカリキュラムがあり、将来アカデミックな分野に進みたい場合は、卒業すると「学士号」が与えられることが有利に働きます。
ゲームクリエイターに興味はあるものの、幅広い選択肢から将来を選択したい、研究などアカデミックな分野に興味がある、ゲーム業界以外でも幅広い人脈が欲しいという考えがあれば、大学を選択することがおすすめです。
ここまでお伝えしてきたように、ゲームクリエイターは専門性が強い職種です。
専門技術を身につけてから大学に進学することは難しくないですが、大学に入ってから専門技術を身につける方向にシフトするには、多大なるパワーを必要とします。
だからこそ、ゲーム業界に興味があって、進路に迷っている場合は専門学校から検討してみるのがおすすめです。
ゲームクリエイターになるにはどうすればよいのか、その答えが用意されたカリキュラムになっているためです。
短期間で効率的に、ぎゅっと凝縮されたカリキュラムを学ぶことで、業界が求めるベースの技術を身につけることができますし、同じ目標を持った仲間と切磋琢磨することで、技術の習得はもちろん、卒業後も業界のつながりができます。
私たち、日本電子専門学校は、1951年に設立。1990年からゲーム制作の授業を行っている、歴史ある学校です。
現在は3年制の「ゲーム制作研究科」、2年制の「ゲーム制作科」「ゲーム企画科」があり、ゲームクリエイターとしての専門スキルが磨けるカリキュラムを用意しています。
学生も高校からの進学はもちろん、既卒者や留学生など、さまざまなバックグラウンドの方が学んでいます。
27年連続での東京ゲームショウ出展。日本ゲーム大賞への入選作品も多数出るなど、学生の制作実績が世の中に出る機会もあります。
専門学校を視野に入れるのであれば、ぜひ学校を見に来て、雰囲気を味わってみてください。