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シラバス

グラフィックデザイン科 2023年度入学生

科目名 プランニング 作成日 2023/09/07
区分 必修 講義/実習
開催時期 1年次 後期
講義・演習駒数/週 1駒
実習・実験駒数/週 0駒
合計駒数/週 1駒
総時間数 30時間
総単位数 2単位
企業連携
授業の目的 消費者の心を動かし、クライアントが納得するデザイン案とは? ブランディングの考え方を背景にした「課題解決」と「なるほど!」と思わせるアイデアを、企画として提案できるスキルを体得する。
到達目標 ・ブランディングの考え方をベースに企画を説明出来るようになる。 ・消費者目線で考え、クライアントを納得させる企画・プランニングが出来るようになる。 ・企画をクライアントに効果的にプレゼンテーション出来るようになる。

評価項目 ①定期テスト ②小テスト ③レポート ④課題 ⑤作品 ⑥ポートフォリオ ⑦成果発表 ⑧その他
割合  %  %  % 50%  %  % 50%  %
評価基準
①ブランディンの発想で企画を考えることができるか。 ②その企画を「なるほど!」と思わせる表現アイデアに昇華できるか。 ③クライアントに論理的に提案内容を伝えることができるか?
※上記に示した評価項目の割合(%)を基準に、総合評価点を算出して成績評価を行う。
※出席率が80%未満の場合は、評価対象としない。

担当教員 江藤 正典 植田 誠一
テキスト・参考文献 ・オリジナル教材 ・「プレゼン思考」 小西利行 ・「見やすいプレゼン資料の作り方」 森重湧太
実務経験有無  
江藤 正典 広告会社における30年以上の職歴の中で、大手・外資・地方・海外クライアントの様々な分野のグラフィックデザインおよびブランディングに携わってきた。また、(公社)日本パッケージデザイン協会理事や企業のデザインアドバイザー、教育イベントの推進、数多くの海外デザインアワードの審査の経験を持つ。  
関連科目 進級制作  履修前提   

授業計画

回数 学習目標 学習項目
1 企画とデザイン 企画とは何か、デザイン業務とはどのようなものかを説明出来る。  「デザインとは課題解決である」 デザイン業務には依頼主(クラアント)があり、到達目的(消費者の心を動かすこと)がある。 クライアントの課題を解決するための戦略を構築し、それを具体化するためのアイデア、表現案を考えるのが「プランニング(企画)」であり、デザイン業務の重要な核である。そのキーになる企画・表現の「メタファー」という観点を持つ。 
【理解度確認】理解度確認・質問
2 ブランディングとは何か? マーケティングとイノベーション、コミュニケーション戦略を実現する「メタファー」について、ブランディングの全体像を理解する。  「デザインの目的を理解する」 「モノを売るための仕組み=マーケティング」と「モノに特別な価値を加える=イノベーション」 双方からブランディングを捉える。ブランディングの中の重要な要素の1つが「コミュニケーション戦略」であり、デザイン業務はその重要な役割を担う。そのキーになる企画・表現の「メタファー」という観点をブレストを通じて理解する。  
【理解度確認】ブレスト・グループワーク
3 一枚企画書で考える 企業の目標と課題、消費者の不満や潜在ニーズが解決した未来を考える。 そして、これらを実現する方法がブランディングやデザインであることを理解する。  「一枚企画書で全体像を把握する」 デザインとは問題解決の手段である。その問題は、企業と消費者双方に関わってくる。企業の思惑と消費者のニーズを一致させるためには、特別な解決法が必要になる。それを見つけることをデザイナーは求められている。その方法が一枚企画書である。 
【理解度確認】理解度確認・質問
4 一枚企画書の進め方 ① 企業の目標と現状の課題、そして社会情勢。その背後にある本質課題について 考える姿勢を身につける。  「一枚企画書① 企業の本質課題を考える」 オリエン後、いきなり表現アイデアを考えても意味がない。まず、客観的な情報収集を行い、企業やブランドに内在する課題を考察する。さらに、競合企業やブランド、SDGsや世代の特性など社会のトレンドなど外部からの課題も考察する必要がある。その上で、本質課題は何なのかを洞察する。 
【理解度確認】理解度確認・質問/ブレスト
5 一枚企画書の進め方 ② 企業は消費者に支持されなければビジネスが成立しない。デザイン・プランニングを 消費者の潜在ニーズから考察する姿勢を身につける。  「一枚企画書② 消費者の潜在ニーズを洞察する」 消費者の不満や欲求は、あまり表には出てこない。デザイン・プランニングは消費者の潜在ニーズ(インサイト)を洞察する必要がある。 その際、「消費者の不満」という視点で考えてみると理解しやすい。実際にターゲットの気持ちになって不満を考え企画のヒントを探してみる。 
【理解度確認】理解度確認・質問/ブレスト
6 一枚企画書の進め方③ 企業の目標とは顧客の創造であり、社会を良くすることである。そうあるべきである。デザインは、そのための手段の一つだと理解する。  「一枚企画書③ 目標点:未来像を描く」 デザイン・プランニングでは、短期目標として事業計画を立て利益の創出を目指すが、本来の目標は社会をより良くすることである。デザインで何ができるか?デザインの持つ可能性について様々な事例から学びたい。最も重要なのは、人に何かを感じさせ実際に動かすこと「感→動」である。 
【理解度確認】理解度確認・質問/ブレスト
7 一枚企画書の進め方④ 人を「感→動」させるデザインやプランニングに必要な要素の「驚き」「共感」「共有」と、その方向性を「メタファー」として定義するやり方を理解する。それが、ビジョンを実現する「方法」となる。  「一枚企画書④ 目標を実現する方法を考える」 「驚き」「共感」「共有」や「メタファー」を考えるためには、特に「人」に関心を持つことが重要となる。性別・地域・世代・職業・国籍を超えて様々な人を知ることが重要となる。様々なものに対して「好奇心」を持つこと、そして実際に多くの「体験」を持つことが重要となる。それが、価値ある企画を作る源となる。 
【理解度確認】理解度確認・質問/ブレスト
8 一枚企画書の作成:相互関係で考える 仮のテーマを設定し実際に一枚企画書を作ってみる。まず「企業課題・消費者ニーズ・ビジョン・方法」を一通り考えてみる。授業内での質疑応答などから質的向上を目指す。  「実際に一枚企画書を作成してみる」 一枚企画書のフォーマットに従い「1.企業課題や社会課題についての考察/2.消費者ニーズや不満についての考察/3.社会をより良くという観点からビジョンの考察/4.ビジョンを実現する方法の考察(メタファー・驚き・共感・共有)」を記入してみる。相互関係でトータルに考える姿勢を身につける。一枚企画書の形式にすることで企画自体のモレや論理の飛躍が見つかる。 
【理解度確認】実習・一枚企画書の作成.1
9 一枚企画書の作成:アイデアを深める 「メタファー=デザインの方向性を指し示すもの」である。「メタファー」を考えるとは、アイデアを考えることと等しい。人を動かすようなアイデアなのかが問われる。  「メタファー=デザインの方向性を指し示すもの」 そもそも「メタファー」はデザインをイメージして考えるべきものであり、「メタファー」が決まれば、デザインは半分出来上がったようなものである。しかし、これは簡単なようで最も難しいところでもある。脳内に様々なインプットを行い、異分子を加えたりしながら発想の瞬間を待つ。実際に体験する時に発想が浮かぶことが多いことを理解する。 
【理解度確認】実習・一枚企画書の作成.2
10 一枚企画書によるプレゼンテーション 各自のアイデアを一枚企画書を通じてプレゼンテーションする。  「一枚企画書の2つの目的」 一枚企画書は考えをまとめる際に有効であるが、自身の企画の全体像を単純化して把握することができるため、原稿なしのプレゼンテーションが可能となる。実際のプレゼンテーションを通じて、相手の反応を体感し、互いに評価を聞いてみる。 
【理解度確認】演習・一枚企画書の提出とプレゼンテーション
11 自身の企画を考える1:「企業課題」と「消費者ニーズ」 クライアントが求めるもの、消費者が求めるもの、社会の情勢から、それぞれ企画テーマを考える。何が問題で、デザインで何を解決しようと考えるのか目的を考える。  「企画を考える① テーマの設定」 クライアントの置かれている状況や消費者のニーズ、社会状況を理解するために多方面から情報を集め、様々な問題の背後にある本質課題と消費者の本音から企画テーマを設定する。消費者の視点を持つために必要なのは「好奇心」と「実体験」である。 そして、デザインとは課題解決のためのものと理解する。 
【理解度確認】実習・テーマの設定
12 自身の企画を考える2:「ビジョン」と「メタファー」 企業課題と消費者ニーズから目標としてのビジョンを導き出す。それをデザインに変換する際に必要なのがアイデア。そして企画のニュアンスを一言で表すのが「メタファー」であることを理解する。  「企画を考える② 目標の設定」 アイデアを引き出す方法の一つとして「デザイン思考」を試してみる。「共感→洞察→創造→試作→検証」この一連のプロセスを身に付けつつ、何かを変えたいというパッションからイノベーションを引き出す。その流れの中で「ビジョン」と「メタファー」を考える。 
【理解度確認】実習・目標の設定
13 自身の企画を考える3:「感→動」と「メタファー」 課題を解決するために消費者へどう働きかけるか?「驚き→共感→共有」から考え、そこから「メタファー」を導き出すやり方を理解する。また、自身の中に様々なデザインの切り口を持っていることも重要。  「企画を考える③ 課題解決の方法」 どういうコミュニケーションが人の心にささり、行動を起こさせるのかを理解する。マーケティングのSTPや4C、ペルソナ分析は相手である消費者を理解するために有効であること。日常生活のコミュニケーションの中で様々なターゲットが何を求めているか(何が不満なのか)を知っていること。様々な表現、課題解決のための引き出しを、どれだけたくさん持っているかどうかが問われる。 
【理解度確認】実習・課題解決の方法
14 自身の企画のプレゼンテーション 自身の企画を一枚企画書を通じてプレゼンテーションする。 その際にデザインの方向性がわかるもの(ビジュアル)も用意する。  「目的・ストーリー・ロジック・パッション」 あなたのデザインは誰に何を届け、何を変えたいのか?自身が考えた企画をわかりやすく伝えてもらいたい。プレゼンテーションは、つかみと落とし所、ストーリーがあると人を惹きつける。一枚企画書で考えることで相手を納得させるロジックは作られるが、企画ではパッションこそが問われる。パッションは何かを動かす可能性を持つ。 
【理解度確認】演習・一枚企画書の提出とプレゼンテーション
15 全体の総括 一枚企画書の仕組みの総括と一般的な企画書の違い、および、スライド作成(PPT)作成のポイントを理解する。  「デザイナーの役目」 企業目的とは、社会をより良くすること。デザインは、そのお手伝いをする。デザイナーは企業の協力者であり、必要に応える医者のようなものでもある。また、プレゼンスライドは作品ではない。スライドは読ませるものではなく、聞かせるためのものと理解する。プレゼン用として見やすい、わかりやすい、効果的なスライド(PPT)の作り方を学ぶ。 
【理解度確認】理解度確認・質問