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シラバス

コンピュータグラフィックス研究科 2022年度入学生

科目名 映像技術研究Ⅱ 作成日 2023/03/17
区分 必修 講義
開催時期 2年次 前期
講義・演習駒数/週 1駒
実習・実験駒数/週 0駒
合計駒数/週 1駒
総時間数 30時間
総単位数 2単位
企業連携
授業の目的 CG、VFXの高度な知識を持った人材の育成を目的とする。
到達目標 CGだけでなく、アニメーションやVFX、アトラクション、プロジェクションマッピングなど、多分野にまたがる知識を得ることで、単なるCGオペレーターだけでなく、ディレクター、プロデューサー、プランナー、クリエーターとして活躍できる人材育成を目指す。

評価項目 ①定期テスト ②小テスト ③レポート ④課題 ⑤作品 ⑥ポートフォリオ ⑦成果発表 ⑧その他
割合  %  % 80%  %  %  %  % 20%
評価基準
実際に授業内、あるいはそれ以外の場所で見た映像作品を論ずる。単に「…は面白かった」といった感想ではなく、必ず何かテーマを持った評論になっていることが重要。題材選びのセンスも評価基準。社会に出てからの訓練という意味で、書式や読みやすさも重視する。提出されたレポートの内容と出席率、講義に対する積極性などから総合的に判断する。
※上記に示した評価項目の割合(%)を基準に、総合評価点を算出して成績評価を行う。
※出席率が80%未満の場合は、評価対象としない。

担当教員 大口 孝之
テキスト・参考文献 オンデマンドで講義内容のビデオ(mp4)と、PowerPointのスライド(pdf)を配付。 参考文献: 「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」「ビジュアル情報処理 CG・画像処理入門」など。
実務経験有無  
長年、映像業界において新分野のパイオニア的活動を行ってきた経験と、映像ジャーナリストとして世界中の研究組織やプロダクションを訪問して得た情報をベースに授業を行う。毎回、理論の解説と歴史的背景の講義と同時に、極力実際の映像を鑑賞することで、言葉では説明不可能な要素を補う。 
関連科目 映像技術研究Ⅲ  履修前提   

授業計画

回数 学習目標 学習項目
1 アニメーションの原理:アニメーションの原理と視覚装置の歴史の概要を理解する。  そもそもアニメーションとは何か。どういう原理で動いて見えるのか。分かっているようで、実はほとんど知られておらず、未だにほとんどの教科書には「残像説」のような、大ウソが書かれている。その定義と境界。視覚玩具から映画に至る歴史と、それが最先端のデジタル技術にどう反映されているか等について学ぶ。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
2 ビジュアル・エフェクト①:現在はデジタルになったと言えど、VFXの基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る。  SFXとVFXの違い。VFXの歴史。グラスショット、ハンギングミニチュア、マットペインティング、シュフタンプロセス、リア・プロジェクション、フロント・プロジェクション、LEDウォールを用いたバーチャルスタジオなどの合成技術などを学ぶ。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
3 ビジュアル・エフェクト②:現在はデジタルになったと言えど、VFXの基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る。  オプチカル・プリンティング、ロトスコープ、ウィリアムズ・プロセス、ダニング=ポメロイ・プロセス、ブルー/グリーン・バック合成、ナトリウム・プロセス、クロマキー、アルチマットなどのトラベリングマット技術。AIやライトフィールドなど新技術を用いた合成。ミニチュア撮影のコツなどを学習。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
4 ビジュアル・エフェクト③:現在はデジタルになったと言えど、VFXの基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る。  ティルトシフト、レンズ画角、強制遠近法、縮尺と撮影速度の関係、クラウドタンクなど、ミニチュア撮影の技法。モーション・コントロール撮影。タイムスライス。さらにボリューメトリック・キャプチャーなどの最新技術も紹介。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
5 宇宙の表現:映像で宇宙空間や宇宙船などを描くには、どんな技術があるのかを学習する。  アニメーションの応用、回転式セットの利用、ガラス板を利用、無重力訓練機内で撮影、合成を活用、ワイヤーワーク、クレーンを利用、実際のISSで撮影など、無重力状態の表現について。また、地上と真空の宇宙における照明の違いについても学ぶ。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
6 動物の表現:映像で動物や絶滅した古生物、架空のクリーチャーを描くには、どんな映像技術があるのかを学習する。  本物の動物に特殊メイク。動物の動きをロトスコープ。本物の動物をCGで加工。機械仕掛けのアニマトロニクス。着ぐるみやスーツ、特殊メイクなどで人が演ずる。フルCGモデル。動物のモーション・キャプチャー。群知能によるクラウドシミュレーション。遺伝的アルゴリズムによる進化シミュレーションなど、様々な動物表現の手法を学ぶ。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
7 コンセプトアート①:コンセプトアートの重要性と歴史について理解する。  コンセプトアートとは何か。その役割と手法、主要な作家について学習する。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
8 コンセプトアート②:現在コンセプトアートがどうやって作られているか、また将来はどうなるのかを学習する。  現在、世界で活躍するコンセプトアーティストの紹介と、具体的な技法について。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
9 ディザスター映像①:洪水、津波、火山、地震、竜巻、核爆発、隕石衝突、大規模火災などの災害表現は、もっともVFXの需要がある分野である。そのテクニックの歴史と手法を学ぶ。  ミニチュアの破壊、水落し、クラウドタンク、CGなど様々な表現手法を学ぶことで、生徒が将来VFXスーパーバイザーとなった場合、撮影条件や予算などを考慮して最適なテクニックを選択できる能力を身に付ける。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
10 ディザスター映像②:自然災害の表現の2回目。  最近のVFX作品では、古い技術の見直しが始まっており、古典的なミニチュア特撮と最新CGを組み合わせることで、予想もできない効果が次々と生まれていることを知る。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
11 ディザスター映像③:自然災害の表現の3回目。  「NHKスペシャル」などテレビドキュメンタリーへの応用や、防災映像などなどにおける応用例。流体&破壊シミュレーションのツールについて学習する。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
12 シミュレーション・ライド:CG/VFXプロダクションにおける重要な仕事の1つである、シミュレーション・ライドについての知識を学ぶ。  訓練用シミュレーターに始まり、博覧会やテーマパークのアトラクションなど、映像に動きや加速、振動、衝撃、風、温度、香り、水しぶき、ミストなど、マルチモーダルな要素を加えることで、リアリティを増すための技術について学ぶ。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
13 プラネタリウム/ドームシアター:プラネタリウムとドームシアターについて理解する。  現在はCG技術を用いるデジタル・プラネタリウムが普及しており、CGアーティストはドームマスターなどのツールを知っておく必要がある。またVRやシミュレーション・ライドにも共通する、ドームスクリーンや360度映像の利点と問題点についても学習する。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
14 3D映像①:実は2D映像よりも古い歴史を持っている3D映像の歴史と原理について理解する。  人はどうやって立体視をしているのか。アナグリフ、偏光フィルター、液晶シャッター、インフィティック方式など、様々な立体視の種類。何回も起きた3D映画ブームの背景などについて学習する。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
15 3D映像②:裸眼3Dディスプレイやホログラムなど、古い歴史を持っている眼鏡なし3D映像の歴史と原理について理解する。  パララックス・バリアや、レンチキュラー方式、ライトフィールド・ディスプレイなど、裸眼3D映像の仕組みと、驚くほど古いその歴史について学び、現在2030年を目標としてNHK放送技術研究所などで開発が進む裸眼3Dテレビについて学習。また本物のホログラムとは何かについても理解する。 
【理解度確認】質問の受付と、講義後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。