IT業界は、ここ数年で起こった、AIやクラウドなどの新しい技術の登場によってガラリと変わりました。
当社でも現在、ユーザーからの問い合わせに自動応答してくれるチャットボットの開発など、先端技術を活用したプロジェクトに力を入れていますが、このような現場で活躍するエンジニアには、技術力だけでなく、技術を活用して課題を解決する力や、新しいサービスを作る上で必要な課題発見力など、これまでよりも高い次元の能力が求められるようになっています。サーバエンジニア、インフラエンジニア、ネットワークエンジニアなども、従来はそれぞれの職域が分かれていて、特定の技術領域に特化したスペシャリストが重宝されてきましたが、現在は、横断的な知識を要求される機会が増えてきました。
つまりITエンジニアに求められる力は、以前に比べてかなり高度で複雑になってきていると言えます。だから、今からエンジニアになるのは大変なのでおすすめしない…なんてことはもちろんありません。IT業界には昔から、新しい技術を身につけたり、新しい仕組みに気づいた人が、いつでも一番になれるというとてもシンプルなルールがあります。私自身も、そこに惹かれてIT業界に飛び込んだクチですが、これはこの業界ならではの大きな魅力だと思います。
例えば、AIの分野でよく使われるPythonというプログラミング言語。今、Pythonを覚えたら、その人はすぐにこの業界で飯を食べていけます。そして、良いアイデアを持っていたら、今からでも業界のフロントランナーになることができますし、もしかしたら世界を変えることだってできるかもしれません。持ち上げるわけではありませんが、日本電子専門学校が、AIシステム科を開設したと聞いた時、私は、さすが、IT業界の魅力を分かっておられるなと思いました。卒業生に、技術への深いこだわり、そして好奇心やチャレンジ精神といった、エンジニアにとって欠かせない素養を持った人が多いのも、きっとこのような土壌があるからなんだと思います。
あえて注文をつけるとすれば、専門学校で学ぶ人たちにも、若いうちに思想や哲学の本に触れてもらいたいですね。「時間が経っても変わらない物の考え方」を知ることで、流行り廃りに惑わされることなく、世の中が本当に必要としているものが見えてくるようになるはずです。そうなったらもう鬼に金棒。将来は、どこにいっても必要とされるエンジニアになるでしょう。