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シラバス

コンピュータグラフィックス科 2024年度入学生

科目名 作品評価Ⅰ 作成日 2025/04/10
区分 必修 講義(オンデマンド)
開催時期 2年次 前期
講義・演習駒数/週 1駒
実習・実験駒数/週 0駒
合計駒数/週 1駒
総時間数 30時間
総単位数 2単位
企業連携
授業の目的 映像プロダクション、ゲーム関連会社、アニメ制作会社、広告プロダクション、放送関連会社、広告代理店、企業の宣伝部などといった組織に就職した時、企画会議やディレクターの演出時に「『蜘蛛巣城』の霧の感じで…」や「ソール・バス風のオープニングで…」「昔の『ブレードランナー』の雨の雰囲気で…」でといった表現がなされる。この時に、分かりませんでは仕事にならない。そこで作品を観る目を養い、自分がディレクターやスーパーバイザーになった時に適切な手法を選べる訓練を行う。
到達目標 CGだけでなく、アニメーションやVFX、アトラクション映像、VRなど、多分野にまたがる映像の知識を得ることで、単なるCGオペレーターだけでなく、ディレクター、プロデューサー、プランナーとして活躍できる人材の育成を目指す。

評価項目 ①定期テスト ②小テスト ③レポート ④課題 ⑤作品 ⑥ポートフォリオ ⑦成果発表 ⑧その他
割合  %  % 80%  %  %  %  % 20%
評価基準
実際に授業内、あるいはそれ以外の場所で見た映像作品を論ずる。単に「…は面白かった」といった感想ではなく、必ず何かテーマを持った評論になっていることが重要。題材選びのセンスも評価基準。提出されたレポートの内容と出席率、授業時における積極性などから総合的に判断する。
※上記に示した評価項目の割合(%)を基準に、総合評価点を算出して成績評価を行う。
※出席率が80%未満の場合は、評価対象としない。

担当教員 大口 孝之
テキスト・参考文献 講師が歩行困難であるため、オンデマンドで講義内容のビデオ(mp4)と、PowerPointのスライド(pdf)を配付する。 参考文献: 「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」「ビジュアル情報処理 CG・画像処理入門」など。
実務経験有無  
長年、映像業界において新分野のパイオニア的活動を行ってきた経験と、映像ジャーナリストとして世界中の研究組織やプロダクションを訪問して得た情報をベースに授業を行う。  
関連科目    履修前提   

授業計画

回数 学習目標 学習項目
1 スペシャル・エフェクト① 実写の撮影中に物理的な仕掛けを施して、リアルタイムに表現される特殊効果を紹介  天候操作、爆発、火災、暴風、荒れる海面、飛行機・船舶などの揺れ、車両の横転、メカニカル・エフェクト、ガンエフェクト、ミニチュア撮影、強制遠近効果、グラスショット、ハンギングミニチュア、ティルトシフト、レンズ画角、縮尺と撮影速度の関係、水落とし、洪水、クラウドタンクなど 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
2 スペシャル・エフェクト② 特殊効果を具体的なケース別に紹介  火山噴火、溶岩、特殊な爆発、大火災、地震、建物の倒壊、核爆発、竜巻、雪崩など。様々な表現手法を学ぶことで、将来VFXスーパーバイザーとなった場合、撮影条件や予算などを考慮して、最適なテクニックを選択できる能力を身に付ける 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
3 ビジュアル・エフェクト① 現在はデジタルになったと言えど、VFXの基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る  VFXの歴史。マットペインティング、シュフタンプロセス、リア・プロジェクション、フロント・プロジェクション、バーチャルスタジオ、オプチカル・プリンティング、ロトスコープ、ブルー/グリーン・バック合成、クロマキー、アルチマットなどのトラベリングマット技術。AIやライトフィールドなど新技術を用いた合成技術などを学習 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
4 ビジュアル・エフェクト② 現在はデジタルになったと言えど、VFXの基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る  モーション・コントロール撮影、ボリュメトリック・キャプチャーなどの技術を紹介 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
5 動物の表現① 映像で動物や絶滅した古生物、架空のクリーチャーを描くには、どんな映像技術があるのかを学習する  本物の動物に特殊メイク。動物の動きをロトスコープ。本物の動物をCGで加工。機械仕掛けのアニマトロニクス。さらに着ぐるみやスーツ、特殊メイクなどで人が動物を演ずる表現手法も学ぶ 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
6 動物の表現② 映像で動物や絶滅した古生物、架空のクリーチャーを描くには、どんな映像技術があるのかを学習する  フルCGモデル。動物のモーション・キャプチャー。群知能によるクラウドシミュレーション。遺伝的アルゴリズムによる進化シミュレーション、生成AIなど、様々な動物表現の手法を学ぶ 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
7 宇宙の表現 映像で宇宙空間や宇宙船などを描くには、どんな技術があるのかを学習する  アニメーションの応用、回転式セットの利用、ガラス板を利用、無重力訓練機内で撮影、合成を活用、ワイヤーワーク、クレーンを利用、水中撮影、実際のISSで撮影など、無重力状態の表現について。また、地上と真空の宇宙における照明の違いについても学ぶ 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
8 アニメーションの原理 そもそもアニメーションとは何か  どういう原理で動いて見えるのか。分かっているようで、実はほとんど知られておらず、未だにほとんどの教科書には「残像説」のような、大ウソが書かれている。その定義と境界。視覚玩具から映画に至る歴史と、それが最先端のデジタル技術にどう反映されているか等について学ぶ 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
9 米国の商業アニメーション①  ブレイ・スタジオ、サリヴァン・スタジオなどの作品を通して、米国でアニメーションがいかにして商業化していったかを解説する。またディズニーの前身であるラフォグラム社の設立から、サイレント時代の「アリス・コメディ」、初のトーキー作品「蒸気船ウィリー」など、初期のディズニー発展史。さらにディズニーの最大のライバルとなった、フライシャー・スタジオも取り上げ、実写から動画を生成するロトスコープ、手描きアニメーションに三次元的な奥行きを与えるステレオプチカルなどの画期的な発明、ベティ・ブープやポパイで大ヒットを飛ばすなど、フライシャー・スタジオの全盛期を解説する 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
10 米国の商業アニメーション②   長編作品「白雪姫」「ピノキオ」「ファンタジア」「バンビ」など戦前のディズニーにおける活躍と、その後の大規模ストや赤狩りの影響による長期間の低迷。謎に包まれたフライシャー・スタジオの突然の崩壊。ギャグ表現を極めたワーナー・ブラザース、MGMなどの活躍。過剰なディズニーの自然主義リアリズムに反発し、新しい表現形式として戦後に大流行したリミテッド・アニメーションと、その創始者であるUPA。ウォルター・ランツや、スクリーン・ジェムズといった、知られざるスタジオも紹介。また戦後のディズニーの立て直しから、実写映画やテーマパークへの進出。ウォルトの死に端を発した、ディズニーの第2次低迷期到来について解説 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
11 米国の商業アニメーション③   倒産寸前だった80年代から、経営陣の刷新で復活したディズニー。さらにピクサー・アニメーション・スタジオとの複雑な関係。ディズニーの内紛から誕生したドリームワークス・アニメーション。さらにブルースカイ・スタジオやソニー・ピクチャーズ・アニメーション、ワーナー・アニメーション、イルミネーション・マク・ガフ、スカイダンス・アニメーション、DNEGアニメーション、ミクロス・アニメーションなど、主要な欧米のCGアニメプロダクションも紹介する 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
12 日本のアニメーション①   1907年に始まった下川凹天ら個人作家の活動から、関東大震災での第一世代の絶滅。太平洋戦争と映画法の設立によって、戦意高揚目的の国策映画として作画・撮影技術が飛躍的に発展。戦後の東映動画の誕生により、商業アニメーションが成立していく過程を紹介する 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
13 日本のアニメーション②   手塚治虫が虫プロを設立し、テレビアニメという新たなジャンルを生み出す。すると東映動画もそれを真似るようになり、さらにテレビアニメを目的としたプロダクションが林立。反面、予算と時間をたっぷり掛けたフルアニメの長編は作られなくなる、その後、東映動画内の組合活動により長編が復活し、傑作が多数生まれるが、黄金時代は長く続かなかった歴史的背景について 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
14 日本のアニメーション③   イラストレーターたちによるアートアニメの登場。虫プロの倒産。劇場アニメの復活。そして今日、世界に君臨する商業アニメスタジオを育てるに至った背景と、リアルタイムの活動状況を紹介する 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。
15 日本のアニメーション④   引き続き現役で活動する巨匠と、若手注目作家について述べる。また製作委員会や低賃金問題の解決など、経済的視点についても考える 
【理解度確認】質問の受付と、授業後に簡単な感想文の提出によって理解度や疑問点を確認する。