授業計画 |
回数 |
学習目標 |
学習項目 |
1 |
デザイン企画の基本
消費者視点で考えたアイデアは、人を動かす可能性を持つことを理解する。
企業と消費者、それをつなぐクリエイティブという、3つの要素から考える企画の基本を理解する。 |
オリエンテーション
①自分は何を欲し、人は何を欲するのか?消費者の潜在的ニーズについて考える。
②企業の目指すものと本質課題、消費者のインサイト、両者をつなぐクリティブ…デザイン企画の基本的な仕組みと目的、企画の基本について学ぶ。 |
【理解度確認】グループ課題とプレゼンテーション |
2 |
疑問を持つこと、仮説を立てて進めること
企画においては、疑問を持ち続ける姿勢が重要であることを理解する。それぞれの方向ごとに仮説を立て、エビデンスで補強しながら進めるメソッドを理解する。 |
企画の基本要素(企業・消費者)への向き合い方
①企業を深く理解し、課題を見い出すためには、オリエンテーションにどう向き合えば良いのか。
②消費者の潜在的ニーズを洞察するためには、どのような調査、情報、視点が必要なのか。
それぞれの場面において有効な方法論を学び実践してみる。 |
【理解度確認】グループ課題とプレゼンテーション |
3 |
発想を引き出すメソッドと評価軸を持つ
発想のプロセスをこなすことよりも、結果につながることが重要であることを理解する。人を動かす可能性があるかが大事。 |
発想を引き出すメソッドと評価軸の実践
①メソッド:イメージマップによる俯瞰/実体験に基づく洞察/ブレーンストーミングによる多様な視点/異分子を意識的に取り入れることなど。
②評価軸:企業課題と消費者ニーズの双方が解決する答え/「驚き・共感・共有」が実現する答え/模範的な答えよりイノベーションを目指しているかなど。
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【理解度確認】グループ課題とプレゼンテーション |
4 |
一枚企画書の理解
企業の課題、消費者の潜在的ニーズ、未来像、実現する方法。この全体像を一つにまとめるために有効な一枚企画書。その意味・方法・役割について、実践を通じて理解する。 |
一枚企画書のレクチャーと練習課題
「情報収集」「企業の本質課題」「消費者の潜在的ニーズ」「解決した未来像」「最適な解決方法」を、全体を俯瞰しながら一枚企画書作りを進める。プレゼンテーションに対する講評を通じて、その意味・方法・役割について解説する。疑問と仮説を通じてまとめることが重要と理解する。 |
【理解度確認】個人課題:一枚企画書の作成(一部発表) |
5 |
一枚企画書の強調点:①企業の本質課題
企画内容をより高度なものにするために重要な、企業に関する情報収集のやり方を理解する。 |
企業情報の収集と本質課題のあぶり出し
疑問を持ち続けるとはどういうことなのか、どこまで徹底するべきなのか。オリエンテーション時に仮説を立てながらクライアントから何を聞くのか。どのようレベルの情報収集を行うのか。医者がカルテを作るように様々な視点からの情報収集によって、より深い洞察が可能になることを実践から学ぶ。最初に、企業の本質課題を見つけることが重要だと理解する。 |
【理解度確認】個人課題:企業情報のまとめ(一部発表) |
6 |
一枚企画書の強調点:②消費者インサイト
企画の目的を考えるために必要な、消費者インサイトを把握する方法を理解する。
エビデンス・実体験・共感などからの洞察を実践から学ぶ。 |
消費者の潜在的なニーズ(インサイト)を探る
ターゲット層ごとの傾向をエビデンス情報として手に入れる。インタビューや実体験などから潜在意識を理解するための情報を得る。音楽や文学も人を理解するのに役立つ。表層に現れない不満や願望を多方面からの情報から洞察する。実践を繰り返すことによって、より深い洞察が可能になるため、まずは実践を行う。 |
【理解度確認】個人課題:消費者情報のまとめ(一部発表) |
7 |
一枚企画書の強調点:③未来像
企業が求めるものを満たし、消費者に支持されるものとは?企画で目指す未来像とは
どのようなものか、事例研究と実践から理解する。 |
目指すべき未来像を明らかにする
企業の本質課題と消費者インサイトから、目指すべき未来像を導き出してみる。企業と消費者、双方の意向が満たされ新たな価値が生まれるようなアイデアを生み出すためには、目標点を明確に定義する必要がある。全てはそこから始まることを理解する。 |
【理解度確認】個人課題:課題解決の未来像のまとめ(一部発表) |
8 |
一枚企画書の強調点:④解決方法
未来像の実現(課題解決)は、企画の持つ「驚き・共感・共有」の力にかかっている。
目指すべき3つの方向から考えるやり方を身につける。 |
未来像の実現に必要な「驚き・共感・共有」
「驚き」とは注目を集める力、「共感」とは感情に訴える力、「共有」とは人に伝えずにはいられない衝動を起こす力があること。未来像の実現には、この3つの力が欠かせない。人に対して何らかの行動を促すもの、影響力を持つものなのかが問われることを理解し、目指してみる。 |
【理解度確認】個人課題:「驚き・共感・共有」のまとめ(一部発表) |
9 |
一枚企画書の強調点:⑤企画の世界観
企画と、そのアイデアの世界観を一言で表したものが「メタファー」。
プロジェクトの進行にあたって、世界観は設定しておく必要があることを理解する。
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メタファーの設定
その企画の世界観を、一枚のビジュアルや一言のフレーズに置き換えると、どのような表現になるのか?それを考えたものがメタファーである。メタファーを定義しておくことで、プロジェクトの方向を明確にし、ブレが起きない。プレゼンテーションで最も伝わるべき価値観、企画の旗印を作るようなものと理解する。 |
【理解度確認】個人課題:メタファーの設定(一部発表) |
10 |
アイデア発想のヒント:ターゲットインサイト
ターゲットのインサイトは、簡単には理解しきれない。わからないから色々な方法を試す必要があるが、ここにこそアイデア発想のヒントが詰まっていることを理解する。 |
ターゲットインサイトの洞察方法
ターゲットインサイトを理解するためには、実際に話を聞いてみたり、行動を観察したり、似たような体験をしながら考えたり、様々な方法を試す必要がある。また、一方で、映画や音楽や文学というメディア作品を参考にすることも有効だと思う。様々な方法についてディスカッションして考えたい。 |
【理解度確認】グループディスカッションと発表 |
11 |
アイデア発想の準備:イメージマップによる拡散
脳内で行われているアイデア発想を、目にみえる形式に置き換えたものがイメージマップによる発想法。アイデアを発想する前に必要な、情報集めのやり方を理解する。 |
イメージマップで全体を俯瞰する
アイデアの発想を引き出すためには、様々な情報をイメージマップで俯瞰しながら、様々な組合わせを試し、洞察する方法が有効。総合的な視野で連想を広げるために、漏れのないキーワード集めを行ってみる。それが、後に生きてくることを実践から学ぶ。 |
【理解度確認】個人課題:イメージマップの作成(一部発表) |
12 |
アイデアの発想の実践:イメージマップの活用
イメージマップによって広げた視点をもとに、様々な組合せを試しながらアイデア発想を行ってみる。個性的な組合せから始めるのが有効な方法だと理解してもらいたい。 |
イメージマップによるアイデア発想
イメージマップによって広げた多様な視点から、アイデアを発想する。全体を俯瞰しながら、思いもよらない答えを探し出すことが目標となる。解決を探るための自由な組み合わせ、異分子との掛け合わせ、先入観を捨てる、想像力を働かせるなど、実践から学ぶ。ただし、良いアイデアは後から思いつくとも言われている。 |
【理解度確認】個人課題:イメージマップからのアイデア発想(一部発表) |
13 |
一枚企画書から企画書へ
一枚企画書は企画のまとめやアイデア出しの際に有効なものだが、この内容を企画書に割り振ることも可能である。企画書の基本的なまとめ方について理解する。 |
企画書に必要なもの
①現状分析、②企画の目的と全体像、③企画の具体的内容、④スケジュール、⑤収支計画。この5つが重要。
企画書は、その場にいて説明しなくても「納得してもらえる」ようにまとめることが求められる。どこまでが事実(エビデンス)で、どこからが仮説であるも明確にしておくことも重要であることを理解する。 |
【理解度確認】個人課題:企画書の作成と提出(一部発表) |
14 |
プレゼンテーションのまとめ方
企画書をそのまま読んでしまうと、良いプレゼンテーションにはならない。
プレゼンテーションの基本的なまとめ方についてのレクチャーと実践を。 |
PiREmPaで構成を考えてみる
Point:まず結論/information:詳細/Reason:理由/Example:具体例/method:解決方法/Point:もう一度結論/action:行動喚起で締めくくる。このフォーマットを頭に入れておくと、プレゼンテーションが容易くなる。ただし、文字を読ませるのではなく、見せること、語ることが大事であることも理解しておく。 |
【理解度確認】個人課題:プレゼンテーションスライドの作成 |
15 |
プレゼンテーションと講評、授業全体の振り返り。 |
プレゼンテーションの実践
PiREmPaを参考にしたプレゼンテーションを実際に行ってもらう。興味を引き付け、企画書が読みたくなるプレゼンテーションこそが、良いプレゼンテーションであることを理解してもらう。 |
【理解度確認】プレゼンテーション実習 |