グラフィックデザイン科 ニュース・作品

【新入生の皆さんへ】授業紹介「デッサン」

新入生の皆さんこんにちは!今回は授業「デッサンⅠ」を紹介します。「デッサン」という言葉はデッサンを経験したこと無い人でもどこかで1回くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。

デザイナーは様々なグラフィックソフトを使って多種多様な媒体にデザインしていきます。その際に、構図やレイアウト、色彩計画などの見た目の要素を考えることがとても大事になってきます。そのような構成力を養う科目が「デッサンⅠ、Ⅱ」です。

グラフィックデザイン科のデッサン科目では鉛筆、練り消しゴム(花の匂いやおいしそうな匂いはしません)を使って画用紙に様々なモチーフの描写をします。前期の「デッサンⅠ」、後期の「デッサンⅡ」それぞれ週2時間が設定されており、制作を通して「モノ」を「見る力」と「表現する力」を習得することを目的とします。

デッサンは非常に難しく、すぐに上達はしません。考え方と技術の充実、積み重ねが必要です。内容も鉛筆の削り方のような基本からスタートし、基礎的な幾何形体の描写から、前期終了時には人物の頭部描写、後期には石膏像デッサンにも取り組んでいきます。

根気よく地道に取り組んでいくことが上達の最大限の秘訣です。

(1度コツを掴んでしまうと描けることがすごく楽しくなります)

今回は前期の「デッサンⅠ」で学ぶ授業内容を紹介します。

画材を知る

知っての通り、鉛筆を使って実際に手で描く授業になります。鉛筆といっても字を書くわけではないので、H系からB系までの鉛筆の特徴を理解して使い分けます。他には練り消しゴムや画用紙の特性、使い方などを知り作画を通して慣れていきましょう。デッサンでは鉛筆もカッターで削ります。その理由は授業内で解説しますね。

 

トーンやハッチングについて知る

デッサンではモチーフの立体感や色み、質感、空間を「トーン」という明暗の段階を使って表現します。トーンは「ハッチング」と呼ばれる鉛筆の線の重なりで作り出します。まずはハッチングでトーンを数段階作れるようになりましょう。(トーンスケールの作成)

左に行くにつれ「低いトーン」、右に行くにつれ「高いトーン」と呼ばれ、トーンは「高い」「低い」で表し、濃い薄いで表現しません。トーンの段階を使って立体感や、色み、質感、空間などを表現します。低めのトーンはB系の鉛筆や強めの筆圧で表現し、高めのトーンはH系の鉛筆や弱めの筆圧、練り消しゴムを使って調整していきます。

 

基本的な人工物や人物描写     

立体や空間を表現するには、光の向き(光源)の意識や遠近法が必要になってきます。「幾何形体」と呼ばれる基本的な形態モチーフを使って勉強していきます。それを経て、質感や色みの要素がプラスされたモチーフへのステップアップ、人体基礎の単元では人工物と人物の要素の違いについて描写しながら考えていきます。

  

左:ハッチング(線の重なり)を用いて白色の石膏幾何形体を描いています。線の向きによってトーンがきれいに表現されていま す。構図に関しては左側と右側の余白のバランスがとれていると良かったでしょう。
中:幾何形体がベースとなったモチーフを描いています。色みや質感が表現されています。
右:人工物(鉛筆)と自然物(手)の対比を表現しています。皮膚や鉛筆の柔らかさや硬さ、質感、ボリュームが描けています。

 

観察力→観察した要素をアウトプットする力を強化する                     

金属や透明な素材は光の反射や屈折、色みの表現などが複雑に絡み合います。とことんモチーフを観察し、多くの鉛筆を使いこなし、観察した要素をどのようにアウトプットしていくかを考えていきます。

透明なペットボトルに水が入っています。明暗が捉えにくい上に光の反射や屈折、映り込みなどが複雑にからみあっている様子をしっかりと観察し描き込んでいます。全体の余白を考えると一回り大きく描くと構図がすっきりとしたのではないでしょうか。

 

複雑な人物描写                                       

 

前期最後には人物の頭部を描写することで人体構造理解を深めます。大きくとらえると球体(頭部)、円柱(首)、直方体(上半身)の組み合わせで成り立っていることを理解しつつ、「目、鼻、口」などのパーツの構造も追求します。ここでは、見た目の描写はもちろん、内面の表現までをも意識します。前期も終わりに近づき、この段階になってくると、各種画材の使い方や、ハッチングにも慣れ、だいぶ内容の濃いデッサンになってくる学生も多いですね。

    

左:頭部を描く前に「目、鼻、口」などのパーツを観察し、細かな部分にも「形」がどのようになっているのかを理解します。
中:大きく人体の構造を表現でき、骨格を感じることができる上に、目や鼻、口も平面的ではなく、細部まで描き込まれている。
右:表情や構図に工夫があり、人物の内面までをも感じることのできるデッサンです。画面左下部の描き込みが足りていません。全体的にバランスよく作画を進められると良かったでしょう。

 

 

いかがでしたか?今回は前期科目である「デッサンⅠ」に関して紹介しました。後期は「デッサンⅡ」と続き、さらに観察して表現していく要素が多くなります。覚える用語も多く、なかなかやりがいのある科目ではないでしょうか。ただ目の前のモチーフと向き合って描くだけではなく、デザインにおいてデッサンがどのように結びついていくのかを個々で常に考えていくことが非常に大切です。

授業が始まったら一緒に頑張りましょう!

次回の学科ブログ更新は5月15日(金)です。次回は「基礎デザイン演習」の授業について紹介します。

 

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